制作の経緯

​集落の教科書とは、京都府南丹市に拠点を構える「NPO法人テダスが制作支援する”良いことも、そうでないことも、ちゃんと伝えたい”がコンセプトの移住のための地域別ガイドです。浜益で活動を展開するプロジェクト「浜益ベース」は、浜益には住んでいないけど、浜益について深く知り、興味を持ち、地域づくりに関わる関係人口を増やすことを目標に活動しています。そこで、地域と地域の外の人とを結びつける集落の教科書を関係人口向けにアレンジして作れないか!?そんな話が持ちあがったのは、2020年冬のことでした。
関係人口向けということで「住む」より「通う・初めて訪れる」人を意識しながら、観光パンフレットよりも地域の暮らしに一歩踏み込んだものをという想いで作成を始めました。「浜益版集落の教科書」を読むことで浜益への思い入れが高まり、継続的に関わってみたくなる人が増えることを目指しています。

これまでの制作過程

まず手始めに、集落の教科書を生み出したNPO法人テダスの田畑さんから集落の教科書とは何か、制作方法などをお聞きするワークショップを開催。(様子は、浜益の魅力がたっぷり詰まった3日間!〜石狩市浜益区おためし地域おこし協力隊プログラム〜をご覧ください)
そして、いよいよ2021年4月から制作チームが動き出しました。他地域での事例を基にしながら、ターゲットの絞り込み、掲載する情報を集めるための調査シートの作成などを始めます。調査シートの作成段階では、浜益のみなさんしか知らない情報も集めるため、ワークショップも実施しました。(様子は、浜益ベース活動報告会&「集落の教科書」制作ワークショップ)をご覧ください)ワークショップで出た情報などを基に、情報を大きく「人間関係」「自然」「生活環境」「お店・食」「子ども・教育」「その他」の項目に分類。そして、ひとつひとつの情報と項目を議論し精査しながら絞っていきました。
8月からは浜益の方への聞き取り調査がスタートしました。これまでに29名の浜益区民の方をお伺いし、住んでいる人にしかわからないような情報や住んでいるからこそ感じる想いや気持ちを聞き取ることを大切にしながらたくさんのお話をお聞きしました。

インタビュー項目例)
・食材や洋服の買い出し先はどこですか?
・浜益ならではの食文化や食べ方はありますか?
・子どもの頃はどこで何をして遊んでましたか?

地域側が知ってほしい情報だけでも、地域の外から訪れる人が知りたい情報だけでもなく、その両方を大切にし、制作過程の気付きや発見も重要視するこの集落の教科書。主に札幌に住む制作チームメンバー6名と浜益区地域おこし協力隊が何度も何度も話し合いを重ね、浜益に通いながら情報を集めてきました。

これから

集落の教科書は、完全な完成版を作るのではなく、随時更新していくことを前提としています。今年度はここまでの情報をまとめた第一版完成を目指しています。聞き取り調査や現地調査で集めたたくさんの情報を、田畑さんや浜益のみなさんからのアドバイスや意見をお聞きしながらまとめていきます。

制作メンバーから

集落の教科書の良いところもそうでないことも全部伝えるというところが、いいなと思っています。僕たちは移住者向けではなく関係人口向けに作っているけれど、浜益をより知ってもらうためにはとても大切な観点だと思います。良いところもそうでないことも全部含めてそれが“浜益“という地域だし、それが僕たちの好きな浜益だから、読んだ人がより深いところまでわかる教科書を作り上げていきたいと思います。完成をお楽しみに!(ごーすけ)
浜益の良いところやコアな部分、課題もこれを見れば一目瞭然!そんな教科書を目指して日々制作に励んでいます。この教科書を手に取っていただいた人に、「浜益の人が伝えたい浜益の魅力」と「関係人口である私たちが感じる浜益の魅力」その2点の絶妙な差異や共通点を感じ取ってもらえたら嬉しいです。特に、地域課題や地域活動に興味のある層に訴えかけるものになったらと考えています。そして、あわよくば完成した教科書を手に浜益に行ってもらいたいな〜と思います。(かほ)

地域おこし協力隊から

浜益に関わる人が最初に読むものとして、この「集落の教科書」が長く根付いていくと感じています。同時に、この取組みに協力してくれた浜益区民のこの取組みへの期待の高さも感じます。「いいことも そうでないことも ちゃんと伝えたい」それができるのは、普段から活動している浜益ベースプロジェクトと浜益の関係性があるからだと思います。
これからも一緒に活動を作っていきましょう!(ゆうた)

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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