実施内容

苫小牧市、苫東にある和みの森で活動の準備が始まりました。雪は降っていないものの、動きを止めるとすぐに寒さが襲ってきます。薪割り道具、薪を燃やすストーブを数台、焚き火を囲む用の椅子やテーブルを森の中に用意しました。まだ子どもたちの声がしない、馬1匹と5、6人の人間のみの静かな森に並ぶ薪道具やたくさんの椅子を見て、「早く子どもたちに会いたいな」「どんなことをして子どもたちはこの場所で過ごすのかな」とこれから始まる活動を想像してワクワクしました。
準備が終わる頃、徐々に参加者が集まり始めました。月に一度森に来るのが当たり前になっている子どもたちとその保護者、取材の方、札幌市の自然学校の子どもたちと先生、お手伝いの高校生や大学生、様々な年代の参加者が和みの森に集まりました。
森の中では、大人は馬のナナが森の奥から運んできた薪をひたすら割りました。その周りでは子どもたちが追いかけっこをしたり、物置の屋根に登っていたり、探検ごっこをしていたり、木に登ったり、落ち葉の布団でお昼寝したり…思い思いに好きなことをしながら過ごしていました。今日初めて会う子どもたちが、お互いに名前も知らないのに「君」と呼び合いながら遊んでいる様子を見ることもできました。

お昼には、遊び疲れてお腹をすかせた子どもたちが、薪割りでヘトヘトな大人にお昼ご飯をねだり、薪ストーブを囲んでトーストやウインナーを焼き始めました。

中には物置の屋根の上で「人生で一番美味しいメロンパンだ!」と言いながらメロンパンを幸せそうに頬張る子もいました。この日はご飯を食べて、しばらくして解散でした。
午後からは、和みの森からイコロの森へ移動し、片付けや作業などを行いました。調馬索で使用する柵を別の場所に移動させたり、イコロの森の動物たちのお世話をして過ごしました。

ボランティア参加者の声

たくさんの子どもたちに混ざって森での自由な空間を存分に体験できました。中でも印象的だった場面は、いぶり自然学校のスタッフさんと子どものやりとりでした。
「もうお昼食べていいの?」
「ここは自由な空間だから、お昼の時間は決まっていないよ。」
「お腹がすいたのなら食べたらいいんじゃないかな。」
ここはとにかく自由な空間であり、自分の考えが尊重される場所なんだと実感しました。
今回この活動に参加して、この子どもたちが自由な時間を過ごす森は、簡単に作られているわけではないということを知りました。自由に過ごすためのルールや、そのための役割を持つ大人がいることによって、存在できる空間だと感じました。
当たり前のようだけれど、当たり前に存在していない、子どもたちにとって大事な居場所がこの森には存在していると感じました。一人の大人としてこれからも守っていきたい居場所だと思いました。

(記事を書いた人:ココ)

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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