実施内容

【1日目】
「ようこそ鷹栖町へ!」
そう言って今回も温かく迎えてくれたのは役場の笠原さん。旭川から鷹栖町への移動中は、今回の参加者同士や笠原さんと誕生日や出身地などの共通点で盛り上がりました。
鷹栖町に着き、まずは昼食をテイクアウト。お店は「バリアフリーキッチン ミックとジム」という店名で、店内は猫の雑貨や本がずらりと並んでいました。おしゃれで可愛くて店内でも食べてみたいなと感じました。
移住体験住宅に到着!まずは先程テイクアウトしたお弁当を食べました。それぞれに違った表情の顔がついたお弁当にはソーセージが乗っていました。お弁当を食べ終わったところで、役場の大内さんが合流。もう一度お顔のついたソーセージで盛り上がりました。
移住体験住宅は、観光客のためではなく、就農体験や私達のような鷹栖町に関わる若者のために使われる施設です。このような説明と住宅内の案内をしてもらった後、大掃除開始!スーツ姿にもかかわらず大内さん、笠原さんも一緒に、住宅にあったらいいものなどを楽しく話しながら、水回りや窓、天井などを、感謝を込めて綺麗にしました。住宅の可能性が広がるようで、とても有意義な時間となりました。

まずは自己紹介から。今回は顔見知りの参加者も多かったですが、「これがないと生きていけないものは」など意外な一面がわかる質問もあり、和気あいあいと会がスタートしました。
その後、宮本さんから「対話」についてお話いただきました。「会話」「対話」「議論」の違い、なぜ「対話」が必要なのかという解説を聞きました。様々な違いを持つ人々がそれぞれの発言や主張の後ろにある背景を聞き合い、関心を持ちあっていくプロセスであることが印象的でした。

大掃除の後は鷹栖地区住民センター「ふらっと」に行き、この後作成する展示物が展示されるスペースを見に行った後、北野地区にあるスーパー「Da*マルシェ」へ夕飯の材料の買い出しに行きました。夕飯は、カレーライスに決定!移住体験住宅に戻って、展示物の作成。これまでの鷹栖チームのあゆみやコアメンバーの想いを写真やこれまで作成した記事と合わせてまとめます。話しながら、写真を切って貼ったり、ペンで文字を書いたりしました。思ったよりも時間はかかりましたが、なんとか完成!

ごはんとお風呂を済ませた後、今回からの試みであるカルタの作成をしました。このカルタは、移住体験住宅の利用者が、その日の活動や思い出を振り返りながら、1人1枚ずつ文字札と絵札を作って完成させるものです。チームの枠を超え、移住体験住宅の利用者同士が、時を超えて繋がることができる仕組みです。今回は5組の札ができました。これからもどんどん増えていくと考えるととても楽しみです。

【2日目】
この日のメインは、これまでお世話になってきた方々へのインタビュー!インタビューは、チームで作成中のパンフレットに地域の声として掲載するため、そしてフィードバックをもらい、今後の活動に活かすために行いました。大内さんに運転していただき、役場のハイエースで移動します。
まずは、旧北成小学校教職員住宅で、地域おこし協力隊の鹿毛さんにインタビュー。この場所は、チームが鷹栖町に最初に関わり、それから継続的に関わるきっかけとなった舞台でもあります。鹿毛さんは、地域のコミュニティ形成の場を目指して、この旧北成小学校教職員住宅のDIYをされており、チームの関わり始めからお世話になっている方です。また、青年海外協力隊としてルワンダでコーヒー豆の栽培技術指導をしていた経験を持ち、現在は生産者と消費者の繋がりを大切に、副業としてコーヒー屋さんもして町内のイベントや札幌市で出店しています。「海外に行くときは、上から目線ではなく同じ目線でということを大事にしている」「新しい人の違う考え方やビジョンで新しい風が吹くことで活性化に繋がる」など、地域に外から来て関わることについて、ご自身の経験も踏まえながらお話してくれました。

次に伺ったのは、家族で農業を営む照井さんのご一家。照井さんは、稲刈りやハーブ摘みなど毎回のようにお世話になっている方です。今回は民泊のための家のリノベーション作業を体験させてもらいました。まずは、床や壁に貼る材料を実際に見せてくれたり、家の中を案内していただきました。普段目にすることが無いので、とてもワクワク。どのような民泊になるのか今からとても楽しみです。そして、元の床をベリベリと剥がさせてもらいました。簡単に剥がすことができて、気持ちが良かったです。床剥がしが終わると、なんと、リノベーション中の壁に夢や想いを書かせてくれました。これから壁紙を貼るため、書いたものはその下になり、また壁紙を剥がしたときに見ることができるタイムカプセルのようなものです。それぞれ夢や想いを書き、今回も大変貴重な経験をさせてもらいました。

その後、いよいよインタビュー。今のエネルギー溢れる北成地区では予想もつかないですが、昔は今とは逆で絶望するほどの時期もあったことを初めて知りました。それを乗り越えた今もチャレンジを続ける照井さん。「鷹栖町で過ごした時間から何かを感じ取って、この先の人生の糧になってくれたら嬉しい」「いつでも北成で待ってます」など、応援し心に寄り添ってくれるようなお人柄に感動しました。

最後に伺ったのは、音威子府高校卒業の同級生3人で工房そなもを経営する加藤瑛瑠さん。かまどづくりや新米炊き体験など、これまでも沢山関わらせてもらいました。今回は、金丸虎次郎さんは出張のため不在でしたが、馬場さくらさんに初めてお会いすることができました。実は、この日札幌の出展から帰ってきた次の日で、更に次の日からは東京で出展とのこと。お忙しい中、快くインタビューに応じてくれました。「いつでも来てください!」「やりたいことがあれば鷹栖で実現してくれれば!鷹栖じゃなくても何か挑戦するなら遊びに行きたい」など、お互い応援し合い高め合えるような関係を感じました。

この日の昼食は、「鹿肉レストラン 山恵」。ここで笠原さんも合流です。ドッグランも併設されており、店内にも犬の雑貨や本がずらりと並んでいました。メニューも沢山あり、どれも美味しそうで迷ってしまいました。
その後、一度移住体験住宅に戻って、帰る支度をした後、旭川駅に向けて出発。その途中に、パレットヒルズに寄っていただきました。沢山の子どもたちが楽しそうに雪板で遊んでいる様子を見て、私達も一緒に遊びたくなりました。
鷹栖町からいつもの丘を越えて旭川へ。車内では、2日間の振り返りをしました。今回も”あったかす”にたっぷり触れ、これまで築いてきた繋がりとこれからの繋がりの可能性を感じることができた2日間。最後は、大内さん、笠原さんとハイタッチしてお別れしました。
「また来ます!」

(記事を書いた人 あやね)

参加者の声

本格的に地域に働きかける関係人口としてのボランティア活動を行ったのは今回が初めてでした。この活動に参加するまで「地域と関わる」とは一体どういうことなのか自分の中では明確になっておらず、綺麗事という認識で終わっていました。しかし、鷹栖町に来てからそれまでの価値観が覆されたような気がします。近くの大都市・旭川市ではなく鷹栖町に住んで、自分のやりたいこと・夢に向かって突き進む町民の方々を見て心が動かされ、一度きりしかない人生を豊かにするためのヒントを授かりました。鷹栖町は「地域と関わる」の本質を私に教えてくれた第1号の場所となりました。今後も暖かい鷹栖町民の皆様と活動を共にしていきたいと思います。(たいたい)

旭川駅にてハイエースでお迎えをしてくれた役場の方。私は「レンタルした車なのかな…」と思っていたのですが、なんと町の持ち物で驚きました。今回の活動はメリハリのある活動になるのかな?と心に抱いたのですが、始まってみると笑えるようなやりとりから始まり、スーツ姿での大掃除、私情と変わらないような個人との接し方、気遣いしてもらい、それだけでなんだかまちの魅力が伝わってきました。私にとって公務員の方が動いてくれるということは“受け入れてくれているんだな”と肌で感じることが出来、嬉しくなりました。2日目にインタビュー時間があったのですが、町民の方それぞれの人が眼をキラキラさせていて、この場を共有させてもらえることに幸せを感じました。インタビューから戴いた言葉「辛いときには来ていいよ」「移住しなくてもいい」「私はこんなこと嫌だった」…この言葉たちは今までの関わりが表現されているように感じます。いま、私の心は温かいです。ありがとう、鷹栖町。(ふくさん)

鷹栖町へ行くと毎回、人のあたたかさと美しい景色に心が落ち着き、前に進むエネルギーをもらっています。私は約1年間、鷹栖町で活動を行ってきましたが、町に対して何か残せていたのかと考えることもありました。今回鷹栖町の方々にインタビューのなかで、私達の活動・存在が町民の方にエネルギーを与えていたことを知り、関係人口の私たちと町民が刺激し、支え合う関係が築かれたのではないかと思いました。
これからも鷹栖町の「あったかす」に魅せられながら、鷹栖町に関わる入口をつくっていきたいと思います。(くめちゃん)