実施内容

各ブースごとに、事前に資料や展示物を用意して当日を迎えました。高校に着き、ワクワクと緊張が混じり合う中、会場準備を行いました。今回オンラインを使って発表するブースもあり、各ブースごとに準備をしているとあっという間に開始時間になり、生徒が続々と体育館へ集まってきました。

15分という発表時間の中で、私たちが何を課題に、どんなことに取り組んでいるのかを伝えました。高校生たちは今後授業の中で、チームごとに課題を深堀し考えた取り組みを発表するカリキュラムになっていて、各ブースの発表の最後には「みなさんならこの課題に対してどのような取り組みを行いますか?」と投げかけました。
発表が終わり体育館の撤収作業後、教室をお借りして振り返りを行いました。伝える難しさを感じながらも、活動の原点回帰や現状を整理することで今後の活動に繋がる経験になりました。

(記事を書いた人:くめちゃん)

 

浜益ベース「地域を知る 集落の教科書」
都市部から地域に関わるとは?というテーマで、石狩市浜益区で集落の教科書を作った私たちが行っている様々な活動を紹介しました。当日は現地とオンラインのミックスで、高校生に地域に関わるおもしろさを伝えました。

 

大雪山国立公園旭岳自然保護プロジェクト「国立公園の保全と利用」
大雪山国立公園旭岳で夏季シーズン中活動する旭岳自然保護監視員さんの仕事を例に挙げながら、国立公園の課題の一つである「観光客のマナー」を向上させるには何ができるかを考えました。高校生からは観光客の荷物チェック(盗掘防止)、遊歩道へのごみ箱の設置、ごみを拾ってくれた人への粗品贈呈などのアイデアが出ました。

 

シカ革なめし部「捨てられてしまっている鹿の皮の活用」
獣害などを予防するために捕獲した鹿などは、肉はジビエとして活用が進みつつありますが、皮や骨は捨てられてしまっています。この現状を実際にあった事例を紹介しながら、私たちが自分たちで皮をなめそうとしてたことや、なぜそのような課題が発生するのか、背景を伝えました。毛皮やレザーなどを見えるところに置いて、触る時間も設けました。触る生徒もいれば怖がる生徒もいました。

 

鷹栖リレーションズ「都市部から地域に関わる」
都市部への人口集中により起こる問題の1つに、地方の空き家問題があります。今回は人口が減少している地域(地方)における空き家の活用という課題に対して、鷹栖町で行った「古民家再生DIYプログラム」を事例に話しました。DIYプログラムでは、空き家のDIYを都市部の若者と一緒に行うことで、都市部の人が地域に関わるきっかけづくりの場として活用しています。生徒が普段過ごしている都市部ではなく、地方に目を向けてみる機会になったと思います。

 

NPO法人雨煙別学校(西脇さん)「里山から始まる環境教育」
国蝶オオムラサキが飛び交う、自然と共生するまち栗山町。20年前、離農跡地だったハサンベツ里山地区を”未来を担う子どもたちのため”に自然体験ができるフィールドとする整備が始まりました。現在は、小川や田んぼ・畑などが整備され多くの動植物を観察することができ、子どもから大人までたくさんの方が訪れる里山空間になっています。そんな、ハサンベツ里山の成り立ちから、環境教育に至った経緯を、現地の写真を見ながら、紹介しました。

 

NPO法人いぶり自然学校(八木さん)「Agricultual Supported Community~動物との共生」
畜産業界を取り巻く地球環境汚染や飼育環境の課題をシェアしました。環境課題の解決策の裏では、アニマルウェルフェア※1の新たな問題が生み出されているという現状が隠れています。畜産を取り巻く小さなコミュニティの形成と目に見える消費の提案をしました。

※1アニマルウェルフェア 動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態。詳しくはこちら

 

石狩市地域おこし協力隊(井上さん)「果物の廃棄」
今回は果物の廃棄をテーマに、紙芝居形式でプレゼンしました。まず果樹園の現状、収穫等の工程のどの段階でロスが発生するかを話しました。その後、食品ロス対策について解説。石狩市浜益区のきむら果樹園での活動をきっかけに移住し、普段は斗内果樹園で技術継承を目的に活動している地域おこし協力隊として企画した道の駅石狩「あいろーど厚田」での販売会等のイベントについても紹介しました。

参加者の声

浜益ベース「地域を知る 集落の教科書」
ezorockが関わっているプロジェクトが全15ブース出展しました。事前から私たちが取り組んでいる課題を明確にし、わかりやすく高校生に伝えるために資料などを作成しました。作ったものに各ブースの色が出ていて俯瞰してもおもしろかったです。全体的に興味を持ってもらえた感じがするとみんな言っていて、今後の活動に繋げられたらいいなと思いました。(ごーすけ)

 

石狩市地域おこし協力隊「果物の廃棄」
今回のプログラムでは、「身近な食の裏側には生産者がいるということを想像してほしい」ということを伝え、生徒の中には相づちをうったり、終始メモを取ったりという人もおり、果樹園のことを伝えられたと感じました。参加した学生たちが、浜益や果樹園の取り組みを知ることで、自分の周りの食や農業に関心を持ってもらえたら嬉しいです。(井上さん)