実施内容
10月中旬から実行委員会が始まったリレフェス2022。実行委員会の様子についてはこちら。
基調講演やテーマごとの分科会に16名のゲストを、各地域からの出展に14の団体を迎えて開催されました。プログラムごとにリレフェス2022をご紹介します!
基調講演①(12/10)
『関係人口の現在・過去・未来』
ゲスト:田中輝美さん(ローカルジャーナリスト・島根県立大学地域政策学部准教授)
地域が過疎化する中で変化してきた地域住民の価値観についてや、都市部に住む若者がふるさと難民となっていることなどをご説明いただきました。また、「地域」や「若者」、「学生」のようにお互いを一括りにするのではなく、1対1のコミニュケーションを心掛けると豊かな関係人口を築くことができるのではないかというヒントもいただけました。
基調講演②(12/11)
『わたしたちの新しいつながりのつくり方』
ゲスト:中島みきさん(面白法人カヤック ちいき資本主義事業部 事業部長)
様々な地域での事例を紹介していただきました。紹介いただいた地域には鎌倉市のように大きな街についてのものもあり、地方だけでなく都市部での関係人口のつながりについても考える時間となりました。
分科会①(12/10)
『座談会:地域とのつながりを求める若者のホンネ』
ゲスト:久米花枝さん(酪農学園大学)
菊地莉奈さん(社会人/179RELATIONS.net編集部)
コーディネーター:深井咲良さん(NPO法人みなと計画)
印象的だったのは、社会貢献を意識して地域に関わっているのではなく、地域の方との交流を純粋に楽しんでいるだけなので、「良いことしてるね」と言われることに違和感があるという部分でした。久米さんも菊地さんも本州出身ですが、道内で関わっている地域を第二の故郷のように感じていると言っていました。
分科会②(12/10)
『関係人口創出に向けた都市部の役割について~札幌市の事例より』
ゲスト:西江和彦さん(札幌市まちづくり政策局政策企画部企画課 広域連携担当係)
金丸佳代さん(栗山町若者定住推進課 主査)
コーディネーター:草野竹史(NPO法人ezorock)
北海道全体の発展が札幌市の発展と関わっているという考えのもと、北海道中から人や情報が集まる札幌が地域にどう影響を広げていくか、そして札幌が地域からどう影響されていくのかについて札幌市と栗山町双方の考えを聞くことができました。
分科会③(12/11)
『学生が地域づくりに参加する意味とは~北海道教育大学の事例から』
ゲスト:齋藤征人さん(北海道教育大学函館校准教授・地域協働推進センター長)
教育大学の福祉学部でありながら、目指すものは教員でも社会福祉士でもない第3の道として誕生した地域づくりのカリキュラムが、どのように学生たちに浸透していったのか知ることができました。
分科会④(12/11)
『「協力隊」×「関係人口」の組み合わせで生まれる、新たな価値』
ゲスト:長広大さん(栗山町地域おこし協力隊)
林歩実さん(鷹栖町地域おこし協力隊)
コーディネーター:橋本正彦さん(NPO法人みなと計画)
地域おこし協力隊として実践し模索していること、最前線でやっているからこそ、また受け入れる側としての苦労が多いからこそ、学びや喜びが大きいことを知ることができました。この分科会では話が尽きなかったようで、マッチングブースでアフタートークが繰り広げられてました。
地域紹介・出展ブース
ヒグマと共に生きる知床で「クマ活!」(”知床・北こぶしリゾート)/佐呂間町でサローマの休日を過ごそう!(佐呂間町地域おこし協力隊)/鷹栖町/いっぺかだれや浜益(石狩市浜益区)/八雲山車行列実行委員会/Atsuma Town(厚真町)栗山町「森林サービス産業」チャレンジ部/「鮭の聖地」標津町で楽しくまちづくり活動を!(しべつ未来塾)/下川町とつながる方法(下川町)/江別港/大雪山自然学校(NPO法人大雪山自然学校)/えりも町の観光のこれから(えりも町地域おこし協力隊)/カフェ幸福村 & SEEDとかち(株式会社カンナ・カンナ)/You、栗山に移住しちゃいなよ!(くりやま移住促進協議会)
各ブースの紹介はこちらをご覧ください。
地域からの出展には道内13地域14団体が集まりました。各団体10分のプレゼンタイムでは、各地域の特色や現在実施している活動について紹介がありました。
30分間の出展ブースの時間は、バーチャル空間oViceならではの「移動」ができる時間。参加者が関心のあるブースを訪れて、地域の方と直接話が生まれました。
実際に行きたい!具体的な活動は?どうして移住したの?など、直接顔を見て会場のあちこちで繋がりが生まれていきました。
また、休憩時間などプログラムの合間にも各ブースでは各地からの実況中継などが行われました。栗山町からは雪上のテントサウナを行っている様子、佐呂間町からはサロマ湖で育てられた実際の牡蠣がバケツいっぱい、石狩市浜益区からは海の様子などなど北海道の「今」を感じられる時間でした。
地域との繋がりを考え、実際に地域と繋がるフェスティバル「リレフェス」。ここから実際に北海道内各地との地域の線が増えていくきっかけになっていけたらと思います。
また来年もリレフェスでお会いしましょう。
ご参加いただいたみなさん、関係者のみなさんありがとうございました!
(記事を書いた人:たに)
参加者の声
札幌の高校生として生活している私にとって「関係人口」について考える機会や道内各地で活動している地域の方々、そしてezorockのようにコネクターとして取り組む人達と関わる機会はかなりレアです。オンラインのバーチャル空間で多くの人が集まり、交流できる時代のすごさ、そしてそれをすすめる大学生の姿、司会の草野さんも言っていましたが一般的に参加する側の若者世代が大人を巻き込んでイベントを開催・運営している空間、素敵すぎました。また、やりたいことの実現には今いくらでも方法があること、賛同してくれる仲間、サポーターの重要性に気が付きました。視野を広げて様々な情報を取り込みながらたくさん学び、私も札幌で活躍したいと思いました。(札幌在住 高校生)
道外出身、札幌住みの私の日常では道内の他の地域との繋がりを持つことは多くはありませんでした。しかし今回のリレフェスに参加してさまざまな魅力的な地域のお話を聞き、もっと知りたい、私にもできることがあるのではないかというわくわくした気持ちになりました。これから道内で行ってみたい場所がたくさんできました。まずは今回知った地域に行って、魅力をぜひ自分で見てみたいと思います!(札幌在住 大学生)
実行委員の声
「どんな言葉でリレフェスを始めようか?」専門家のいない手作りのイベントだったので、一言ずつを悩みながらチームで作った司会原稿が読み進められていくのを聞きながら、達成感を感じていました。同時に、終わりに近づいていく寂しさもありました。実行委員会の真面目ながらも温かみのある雰囲気も、今となっては恋しいです。出展地域と参加者の間に新たなつながりが生まれることの一助となれたのなら、嬉しいです。私自身も、栗山町のサケと標津町のサケを味わいにいくぞ!(かんちゃん)
どんなイベントになるのか全くわからずにやることを決めた実行委員。未知なものにわくわくして飛び込んだものの、段々と自分のやることが見えてくると、本当にできるかなと急に不安に感じ、一からイベントを作ることの大変さや責任のようなものを感じました。それでも、地域の人と混ざって行う実行委員会はいつも楽しみで、回数を重ねるたびにイベントの形が見えてきて、それと同時に当日への楽しみな気持ちがどんどん高まっていきました。迎えた当日、自分たちで作ったリレフェスで、参加者と地域だけでなく、地域と地域のつながりもできていることを感じられ、とても嬉しく、やってよかったと心から思えました。私は、リレフェスへの準備と当日のおかげで、名前を呼び合える地域の人が増えたり、地域の人や一緒に準備してきたメンバーとのつながりが強くなったように思います。とてもリレーションズを感じることができました!(あやね)
出展地域の声
今回、実行委員として関わらせていただいて、普段なかなか一緒にお仕事をする機会のない、全道各地の市町村の皆さんとご一緒できたこと、ezorockの皆さんが一からイベントを作り上げていく過程を間近で見られたことなど、得難い経験をすることができました。今のご時世、人と会うのもままならず、なんとなく閉塞感を感じていましたが、oViceというツールを使うことで、どんなに遠くにいても繋がれると感じましたし、当日はとても楽しい2日間でした。ここでいただいた繋がりを大切に、また次の機会を楽しみにしたいと思います。ありがとうございました。そして運営メンバーと実行委員の皆さん、本当にお疲れ様でした!(石狩市浜益支所 小貫さん)
我々鷹栖町は、開催までのおよそ1か月半の毎週1回定期の実行委員会に参加させていただきました。本腰を入れた数か月でここまで作り上げるスピード感は圧巻でした。さらに、社会人から大学生のイベント開催のプロではない異業種の方々(素人集団)で作り上げる姿は、背中を押してくれる明るいものだと感じました。北海道は、広大な土地のため各市町村間でどうしても物理的な距離ができてしまいます。オンライン上だからこそ講演者、自治体や、参加者がごちゃ混ぜで集まれて個別に意見交換できることが有意義な時間でした。同時進行で各会場で発表なども行われ、イベント名のとおり「つながりが持て、楽しめる場」でした。また次年度以降の開催も期待しています。(鷹栖町 笠原さん)
本事業は、内閣府関係人口創出・拡大のための対流促進事業の補助を受けて実施しました。