実施内容

これまでの経緯メンバーの想いは、過去記事をご覧ください。
今回は、冬毛の小鹿の皮をいただき皮なめしがスタートしました。
1日目は、札幌にあるezorock事務所の一角を簡易的な作業場にして、肉や脂肪を取り除く「裏すき」作業です。3-4人で3時間ほど時間をかけて、丁寧に取り除いていきました。

そして、今回は毛皮ではなく、レザーをつくるということで、「裏すき」したその日のうちに「脱毛」するための石灰水に漬け込みを行います。強アルカリ性の白い液体に皮を漬け込みました。
1週間後…

石灰水からあげた皮から毛を抜いていきます。少し引っ張るだけで、驚くほどするすると簡単に毛が抜けていきました。手で引っ張ったり、ナイフを使ったりしながら作業すること1時間。裏も表も真っ白でぷるぷるな皮が出来上がりました。
その後、さらに皮を柔らかくするために再度石灰水に漬け込みます。

1週間後…
石灰水から上げ、洗った皮を次はなめすためのタンニン液に漬け込みます。今回は濃度の異なる茶の液を準備しました。

毎日攪拌し続けること、半月後。出てきた皮は茶色に染まり、ぎゅっと握っても戻ってこない状態です。丁寧に洗った後、伸ばしながら干します。

▲タンニン抽出のために使用した緑茶パック(左)と洗い作業中の皮(右)

次の日、皮は薄くパリパリした状態になっていました。向こう側が透けるほど薄く、昆布やきくらげのような色で、厚紙のような硬さ…。これは、硬めのレザーができると予想していたなめし部メンバーの想像を超えるもの。乾燥した皮には水分や油分を揉みこんでいきます(加脂・加水作業)。加脂・加水作業の方法によって、多少の違いは出ていますが、今のところ大きな違いはありません。
どうしてこうなったのか?この後どうしたらいいのか?どうしたらレザーができるのか??これからも検証が続きます。
今後も検証している様子や出来上がった皮についてレポートしていきます。

今後のなめし部もお楽しみに!一緒に作業してみたい、詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

(記事を書いた人:たに)

参加者の声

札幌という都会にいながら、まさか鹿の皮をなめす機会があるとは思わず、とても新鮮で楽しく参加させてもらっています!また、エゾシカ獣害対策や、鹿と人間の適切な関係を考えるきっかけにもなりました。まだ試作段階で色々試行錯誤を重ねている途中ですが、なめし方や加脂・加水の差で状態に違いが出てくるのがとても面白いです。今回はパリパリになりましたが、今後もっと色々試してしっかりした革ができるようになるといいなと思います!(ももか)

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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