実施内容

帯広市にある都市公園・帯広の森。トドマツやカシワ、ミズナラなどの木々に囲まれ、エゾリスやキタキツネなどのほ乳類も生息している自然豊かな森です。この森の、自然に囲まれた憩いの場としてさまざまな行事を展開している「帯広の森・はぐくーむ」という施設で親子参加型の自然体験活動に参加しました。

今回は木製知育玩具「森のピタゴラス」ブース出展のお手伝い。森のピタゴラスは北海道産の木を使用してつくられたおもちゃで、穴の開いたボードにピンと板で道をつくり、できた道にビー玉を転がして遊びます。ビー玉が板にぶつかると優しい音色が鳴り、木のぬくもりを感じられるおもちゃです。

メンバーが現地に到着し、自己紹介や活動内容を確認したあと、さっそくブース出店の準備が始まりました!子どもたちが靴を脱いでのびのびと遊べるように、まずは地面にシートを敷いていきす。なるべく平らな地面を探して敷いていくのですが、ここでハプニング発生…!なかなか平らな場所が見当たらず…。あっちに移動してはこっちに移動してを2~3回ほど繰り返し、やっとのことでいいポジションを見つけることができました!てんやわんやしていた私たちを見て、隣のブースの方々がお手伝いに来てくれたりと、森の中はやさしい雰囲気でいっぱいでした。

高さ90cmほどのピタゴラスを4台、小さな子どもが見上げてしまうほどの大きなピタゴラス(デカゴラス)2台をメンバーと協力して組み立て、出店準備完了!森のピタゴラスブースのお隣では、木や竹などの森のものを使って音を楽しむ「オトノモリ」や「馬と一緒に森さんぽ」などのブースがありました。すでに森のなかはお客さんで賑わい始めていて、他のブースでは子どもたちが遊び始めていました!

「遊んでみてもいい-?」

「これどうやって遊ぶの-?」

と、私たちのブースにもすぐに子どもたちが集まり、みんなピタゴラスに興味津々。

「ボードの穴にピンを挿して、その上にこうやって板をのせてビー玉が転がる道をつくってみてね!」

遊び方を教えると、すぐに黙々とコースをつくり始める子どもたち。つくったコースにビー玉を転がして、ビー玉がどのように転がっていくのか観察。

「ビー玉がここを転がっていくためには、ここに板を置かなきゃだな!」

「転がるスピードが速いな…」

「最後まで転がりますように…!」

子どもたちをそばで見守っていると、このような心の声が表情から伝わってきて微笑ましかったです。
試行錯誤して次々にコースをつくっていく子もいれば、じっくり考えたり、ひとつひとつのビー玉の動きを見て楽しんでいる子もいて、ひとりひとりの個性を感じました。
お子さんの隣にいた親御さんも、

「これは大人の私たちもハマッてしまいますね…!」

と、いつの間にか子どもと一緒に夢中になってコースを考えていました。
親子のコミュニケーションも自然に生まれている、奥が深くて面白い、そんなおもちゃです。


イベントの終了時間が近づいてきて片付けをしていると、ピタゴラスで遊んでくれた子どもたちが数人駆け寄ってきて、「また遊びにくるね!」「来年も帯広で待ってるから来てね!」と言ってくれました。子どもたちの心のなかで、楽しいな!また遊びたいな!そんな風に思ってくれたことがとても嬉しかったです。

「コースをつくってビー玉を転がす」という、とてもシンプルで気軽に遊べるおもちゃですが、大きなピタゴラスは子どもが下に潜り込んで遊ばないようにガードが付いていたりと、子どもが安全に安心して遊べる工夫が施されていました。
また、このおもちゃは北海道の木でつくられています。地域で育った木を、日常や子どもの遊びのなかに取り入れていき、地域の木について考えるきっかけになってほしい。そして、失敗したらもう一度挑戦してみたり、うまくいってもいかなくてもみんなで笑ってみたり、森のピタゴラスで遊んだ思い出が、いつか大人になったときに子どもたちにとって大事なものになっていてほしい。そんなたくさんの想いが込められたおもちゃで、今回はたくさんの親子の笑顔を見ることができました!

(記事を書いた人:きくちゃん)

参加者の声

今回は、ボランティア活動自体が初めてだったので緊張しましたが、話しやすい雰囲気で緊張もほぐれました。あんなに多くの子どもたちの対応をしたのも初めてでしたが、少しアドバイスをして「そっか!」「わー!できたー!」と目を輝かせているのを見ると私も嬉しくなりました。同時に、子どもたちの意欲を削ぐことなく達成感を感じてもらうのも、サポートするボランティアの技量にかかっているのだな…と、しみじみ感じました。また次回も参加し、今回以上に遊びを楽しむサポートができたらと思います!(もりしお)

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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