実施内容

【1日目】
札幌から車で約2時間で到着する石狩市浜益区。しかし今回は事故の影響やホワイトアウトに見舞われて、3時間くらいかけての現地入りとなりました。札幌から無事に着いたという事で、浜益支所の人たちも一安心。「浜益に行くのに自然から試されているのかと思いましたよぉ」とezorock代表のタケシの一声に一同は大笑い。他のまちで感じたことがない心の距離感に地域柄を少し感じました。

そんなテンションで始まったオリエンテーションでは、配られたファイルを手元に、区としての人口や高齢化率、歴史、産業、特産物とまちのデータを一つ一つ説明を受け、私たちおためし協力隊も一人の職員として迎えられたような気がしました。また浜益支所を案内してもらうという貴重な時間がありました。

昼食を済ませた後は、浜益の冬のアクティビティである雪板作り(雪板についてはくわしくはこちら)、夕食時には“ニシンのなめろう(私たちと支所の方とで作りました)”や“ジンギスカン”をいただきました。ニシンのなめろうは食べるのが初めてだったので、食感や生ニシンの風味に衝撃を受けました。他には鍋いっぱいの豚汁も用意していただき、サービス精神旺盛なまちなんだなと感じました。食べたり盛り上がったり深く話しあったり、その中でまちとして大切な病院の在り方を考えてみたりと親睦を深めた1日となりました。

【2日目】
2日目から合流した参加者とともに、「樹齢1500年の巨木を訪れる スノーシューツアー」の下準備を行いました。片道3キロ、時間換算2時間弱となる道をスノーシューを履き、イチイの木までの道を歩いていきます。

今回初めてスノーシューを経験する方もいたので、お互いにスノーシューの使い方などの確認をしながらだったり翌日案内するお客さんへのサポートや声掛けについて考えました。活動をするにあたって支所の方がドリンクやチョコを用意してくれたので、寒さや疲れに負けず準備を進めることが出来ました。
ですが、明日のツアーの準備中に、ハイキング気分で参加しているように見られてしまう姿勢・態度をとってしまった時があり注意を受けました。真面目に取り組むことと楽しみながら取り組むことの難しさに直面しました。

準備を終わらせた後、前日に制作体験をした雪板で雪山を滑りました。浜益では子どもたちがこの雪板で遊んでいるそうです。
この日最後の活動として、海沿いにある施設の再利用について話し合いました。「施設の二階をどのように活用できたらいいか?」という議題でした。各自視察をしながら「ミーティングルーム」「屋内テント宿泊」「ロッククライミング」などを提案しました。今後まちの人たちと話し合い、活用が出来ることを楽しみにしています。

【3日目】
3日目はいよいよイチイの木ツアーの本番。数日前の大荒れの天気とは打って変わって、とても良い天気でした。黄金山がとてもきれいに見え、「このツアーのために晴れたのかもね。」とツアーの参加者やガイドの方と話していました。
参加者が全員揃ったところで、スノーシューを履いてイチイの木へ出発!
天気が味方してくれたおかげで、少し歩いただけですぐに汗ばむくらい暖かく、とても気持ちよく歩く事が出来ました。途中で、今人気のシマエナガを見つけたり、ウサギの足跡を見ることが出来ました。参加者も、ガイドの方の説明に耳を傾けながら、普段見ることが出来ないような自然の情景や樹木たちの姿を楽しんでいたように思います。



長い道のりを半分ほど歩いた所で、浜益の中学生がツアーのために作ってくれた、生キャラメルと生チョコを参加者の方に配って一旦休憩。疲れた時に食べる甘いものは格別でした。
休憩を終えて、また少し歩くとついにイチイの木に出会う事が出来ました。凄い迫力に圧倒されながら、参加者の方と写真を撮ったり、実際に木に触れてパワーをもらいました。



へとへとになりながら帰路についた所、待っていたのは美味しそうなお昼ご飯でした。
黄金山の形をしたカレーや、たこキムチ、ニシンのマリネなど、浜益の名物を沢山使ったお昼ご飯で、配膳のお手伝いをしました。



美味しいご飯を食べた後は、みんなでスノーシューなどの片付けや、ツアーに参加した方々をお見送りし、三日間の活動を終えました。

(記事書いた人:ふくさん、みさき)

参加者の声

2日間ではありましたが、以前から行きたかった浜益の活動に来る事ができました。ツアーの準備・本番や食事中の会話、温泉内での住民の交流、余ったご飯やアップルパイ、ニシンをたくさん持ち帰らせて頂いたことから、良くも悪くも人間関係が希薄な都市部とは全く異なる、住民同士の距離が近く、互いに助け合う田舎ならではの空気を感じることができました。
私は山歩きが趣味なのですが、今回見たイチイの木ほど大きな木を山中で見たのは初めてでした。ツアーの運営側に回るのも初めての経験で、周囲をよく見ながら歩くことの重要性を再認識する事ができ、とてもいい経験となりました。遠くから見た黄金山は形が格好いい山だと思ったので今度登りに行きたいです。一方で、札幌からの行きのバスが厚田止まりで浜益まで伸びておらず、交通の便があまり良くないこと、そのバスの終点まで乗っていたのが私だけだったことから、地方が抱える問題も実感する2日間でもありました。(JAPAN)

スノーシューを履いたりスノーモービルに乗ったりと初めての経験ばかりの3日間でした。新雪は非常に重く体力がかなり消費され、自分の運動不足を改めて認識しました。残った体力を振り絞り歩いた先のイチイの木は、精気に満ちていて何とも言えない神秘さを感じました。さらに同じ日、宿にてハート模様のテントウムシに出会い、自然界だからこその幸福感を覚えました。設備修繕のため休業していた再開したての浜益温泉にも入ることができ、「やっとだね!」と喜びの声が交ざっていました。たくさんの温かさを感じました。また、ニシンを人生で初めて3日連続でいただきました。刺身、焼き、揚げ、漬けとバリエーション豊富な万能食は飽きず非常に美味しかったです。タンパク質豊富なニシンのおかげで筋肉がついた気がします!最後に、夏のイベントである「奴道中(やっこどうちゅう)」というお祭りや果樹園も気になりました。冬だけでなく、まだ知らない夏の浜益にも期待が膨らむばかりです。(かくちゃん)