旭岳との出会い

かんちゃん:今年度はどんな形で旭岳の活動に参加していましたか?

ひろと:一昨年の10月からコアスタッフとして旭岳の活動に参加しています。旭岳には今年度6/1~7/31の長期滞在、8月、9月の約1ヶ月、延べ3ヶ月程滞在しました。

かんちゃん:3ヶ月!1年の1/4は旭岳にいたんだね。当初から旭岳での活動が目当てでezorockに参加したの?

ひろと:大学に入学した当初からコロナウイルスの影響を受けている世代で、実習が少なく、そもそもクラスの人と会うことも少なかった。そんな状況でも対面授業が再開したら、周りにアクティブな話をしてるクラスメイトが多かった。旭岳の活動への不安やハードルの高さは感じていたけど、新しい事に挑戦したいという気持ちや焦りが参加の後押しになった。

かんちゃん:旭岳の活動は、たしかにちょっとハードル高く感じるよね。登山とかの経験が無いと難しそうだなとか感じちゃう。

ひろと:もともと山とかは全然詳しくなかった。2021年2月の浜益おためし協力隊に参加したときの帰りに、夏になったらこんな活動もしているよと教えてもらったのが旭岳の活動。自然環境とか興味あったから行ってみたいなって思った半面、ハードル高いなとも思っていた。それは、自分の知らない土地に2、3日行くって経験が今までないし、不安しかなくて。聞いた当初は積極的に参加したいとは思ってなかった。いつか参加したいなって感じだった。

かんちゃん:その”いつか”が一昨年訪れたんだね!

ひろと:そう。しかも、最初は1泊の活動に申し込んだんだけど、中止になってしまって。次の募集は2泊で、ちょっと不安だったけどそれしかないから申し込んで。そしたらそれもまた中止になってしまった。結局初参加は3泊の活動で、不安とかよりもむしろ「行ったれ!」って気持ちになっていた。そして、行かなかったら後悔するなって感じた。

かんちゃん:度重なる中止で参加意欲に勢いがついたんだね。焦らされてたのかな?

ひろと:そうかも?初参加になった2021年7月の3泊の活動はとてもハードで、もくもくと活動した。中でも山頂まで登ったのが一番大変だった。そんな活動の中で山の事、花の事が知れて楽しかった。次に行った同年10月の1泊の活動は、2度目だった事で活動の流れがわかっていて慣れていたので、より活動を楽しむ事ができた。そして長期で活動すればもっと深く学べると思って長期滞在したいという気持ちが大きくなった。長期の活動に参加した事で、コアスタッフになった後に短期のボランティア参加者に伝えられることが増えたし、自分の経験からの事だから自信を持って伝えられた。

コアスタッフとして旭岳チームに関わる醍醐味

かんちゃん:今年度はコアスタッフとして旭岳の活動に参加していたけど、楽しさってどんな事?

ひろと:まず、旭岳を好きだと思う人と出会い、話せる事。旭岳がほめられると自分の事のように嬉しく感じてしまう。そして、活動の後に感想をもらうと自分とは違う発想を得ることができて「なるほどな!」ってなる。旭岳は観光と自然保護の両立を考えて、実行していくところ。観光客にも直接関われるし、ボランティアからも旭岳が良いところだと言ってもらえると嬉しい。

かんちゃん:人との交流の中に楽しみがあるよね。逆に大変なことはある?

ひろと:人との交流で切っても切れない大変な事は日程調整。顔合わせと振り返りで年間計12回日程調整が必要で、調整ってこんなに大変なんだなって思った。また、顔合わせと振り返りの内容を見ても、回によってもうちょっとコミュニケーション取れたなって思う事もある。関わりの濃淡が気になっちゃう事があって、もっとうまくできたかもって後悔することもある。

かんちゃん:そうだよね。日程以外にも調整ってすごく大変だよね。ボランティアと関わる時に気を付けていることってある?

ひろと:気温とか服装とか最低限活動に必要な情報は必ず共有するけど、あまり先入観のない状態で来てほしいから、それ以外は伝えすぎないように気を付けてる。そうすると、ボランティア参加者の感想が個性的で面白いものになる。やっぱり自分とは違う発想での感想が聞ける事が醍醐味かな。

旭岳への思い

かんちゃん:旭岳の活動で自分ってこう変わったなって思う事ってある?

ひろと:自分では、あんまり変わっていってるとは思っていない。ただ、何回も旭岳のロープーウェイに乗って、最初の時に感じた感動とかレア感は無くなった。いい意味で。

かんちゃん:家に帰ってきた時みたいな?

ひろと:そう、またここに戻ってきたなって感じの方が今は強い。

かんちゃん:そうなんだね。

ひろと:自然保護って、お固くて、難しい、大変そうな、答えのないイメージない?

かんちゃん:わかるかも。とっつきにくいイメージ。

ひろと:旭岳では、10年前に間違って保護区域にトラクターが入ってしまったところがあるんだけど、山麓の方は植生が10年かけて回復して、種をまいて芽吹いているところもある。状態が変わっているのを目で見て、ちゃんと取り組むと結果が出る事を身をもって知った。学校の座学の授業では「そんなの無理」って思っていたけど、実際には無理じゃなかった。なかなか気軽に実習とかできる環境じゃないし、どうしても試験のための勉強になっちゃうけど、実際の現場を見ると考え方が変わった。

かんちゃん:実際に自分の目で見て感じる事って大事だね。

おまけ

かんちゃん:登山って、興味はあるんだけど、酸素が薄くて苦しい中を歩き続ける過酷なイメージなんだよね。

ひろと:うん。高地での活動って聞いたら、高山病とか心配になるよね。それを当時のezorockスタッフのさんべ(山登りの達人)に聞いたらちょっと笑いながら「ないよ」って。旭岳は標高2200mなんだけど、一般的には標高2500mから高山病発症の可能性が上がるって言われているみたいで​​​​(山岳医療救助機構「高山病とは」参照)。

かんちゃん:そうなの!?てっきり旭岳も高山病とか覚悟しないといけないくらい過酷なイメージを勝手に持っていた。

ひろと:標高1600mになると森林限界で木が無くなるんだよね。地上と全然違う景色に魅了されたり、現地の刺激で不安だった事をいつの間にか忘れてしまうよ。そして、一番気掛かりだと思うような食事もトイレも意外となんとかなるもんだよ。

かんちゃん:思っていたより参加のハードルが高くない事を今日知れて良かった!

当日のスケジュール

とある一週間
月 姿見の池園地の巡回、3分レクチャーなどロープーウェー駅舎内活動
火 姿見の池園地の巡回、3分レクチャーなどロープーウェー駅舎内活動
水 休み
木 天人峡の整備
金 姿見の池園地の巡回、3分レクチャーなどロープーウェー駅舎内活動
土 裾合平の登山道情報の収集
日 姿見の池園地の巡回、3分レクチャーなどロープーウェー駅舎内活動

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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