実施内容
9月13日と14日の2日間にわたって行われる恵比寿神社例大祭。天狗の面をかぶった「猿田彦(さるたひこ)」の先導で町内を歩き、ご神体を清める儀式です。神を導く神といわれる猿田彦が、氏神さまを乗せた神輿を導きながら町内を歩き回り、穢れ(けがれ)や災厄を一身に集めます。そして、祭りの最後に「天狗の火渡り」を行い、その穢れを清めます。そんな天狗の火渡りに、今回は「毛槍」という役割で参加しました。着付けをしていただき、大名行列を模した奴道中といわれる一団に加わって、猿田彦や神輿とともに町を歩き回ります。

そのうち、お酒や飲み物を納めてくれる人がいると、奴振り(やっこふり)というパフォーマンスを披露します。奉納をしようと多くの町民が玄関先に出ており、町全体でこのお祭りを大事にしていることが伝わってきました。奴振りをしながら町内を歩き続け、夜になるとついに火渡りが行われます。昼間の地元色の強いお祭りからは一転、天狗の火渡りを見ようと恵比寿神社には道内外から人が集まり、熱気も最高潮になっていました。

木の削りカスに着けられた炎は、自分の身長よりも遥かに高く燃え上がっていました。奴(やっこ)はその炎を囲んで待機しますが、その場にいられなくなるくらいの熱気に包まれ、あまりの高温に距離を置く人もいるほどでした。そんな激しい炎の中を天狗や獅子、神輿が通り抜けます。通り抜けるだけでなく、場内を煽ってさらに炎を激しくしていきます。この炎の中を通ることで、町内を歩いて集めた穢れや災厄を清めるという目的があるそうです。炎の中を通っていく人々の勇気に、心が奮い立たされました。

町を歩き回る際、何度か待機時間がありました。その際に奴道中に参加している町民のみなさんに町のことを聞き、古平町がどんな町なのか、買い物はどうしているのか、仕事はなにをしているのか、など町の方々の生活に触れることができました。都市部からは離れた場所のお祭りに多くの人が集まること、そして何より町全体でお祭りを作り上げていることに感動しました。
(記事を書いた人 こー)
参加者の声
訪れる前は、正直場所もあやふやだった古平町。海と山に挟まれ、町のどこにいても自然を感じられる、のどかな場所でした。その一方で、お祭りの行列には活力あふれる海の男たち、元気にダンスを披露する子どもたち、あたたかく受け入れてくれる町のおじいちゃんおばあちゃんたち、住民の皆さんの力も強く感じられる町でした。どんな町なのかというのは、やはり実際に訪れて肌で感じてみて、初めて分かることが多いなと改めて実感しました。こうして行列の一員に加えていただいて丸一日、まちの皆さんと関わることができ、またこのように長く続く伝統的なお祭りに参加させていただき、とても記憶に残る経験となりました。また来年のお祭りや、そうでなくても観光や他の活動でぜひ古平町を再訪したいです!(カイ)
