実施内容

炭焼きの過程についてご紹介します!
それでは早速、地元の炭焼き名人の方にご協力をいただいて作業開始!
まず初めに、釜底の灰を取り除く作業から始まりました。灰が釜底に残ってしまうと、出来上がりの際に、炭が割れてしまうことがあるそうです
灰を取り除く作業と同時に、炭にする木材の選定を行いました。本来は同じ太さの木材で、なおかつ、約10センチ程度の太さが望ましいと教えていただきましたが、今回は倒木を利用したため選定するのが大変でした…。
次に、炭焼き釜に木材を詰める作業を行いました。木材は重たいので皆と協力して、手渡しリレー形式で運びました。炭焼き釜に入り、隙間がなるべくないように木材を立てた状態でどんどん詰めていきます。この作業がなかなか大変に思えますが、テトリスのようなゲーム感覚で出来るので楽しかったです


写真1:炭になる木材


写真2:炭焼き窯の入り口

いよいよ火入れの作業です。はじめに御神酒でお清めして、安全と炭づくりの成功を祈願しました。着火には油分が多く火が付きやすいとされているガンビ(シラカバの皮)を使用し、焚き口の近くには窯の温度を上げるための燃料として薪を積み、着火します。そして、奥の炭材が炭化できる温度になるまで、一晩中ひたすら薪をくべ続けます。


写真3:お神酒で御祈願


写真4:焚き始めた窯の入口

日がまたぎ、辺りがすっかり冷えてしまいましたが、窯の前はポカポカして暖炉のように暖かく、静かでゆっくりとした時間が流れます。炭焼き名人のおじいちゃんと並んで、ぽつり、ぽつりと、お話しするのが楽しかったです


写真5:焚き続ける窯の入口

もくもくと上がる煙。炭材には生木を使っているので、ものすごい量の水蒸気が出てきます。しっかり水分が抜けてくると、青味がかった透明な煙になってくるそうなのですが…まだ白いもくもくは続きます。ちなみに、乾燥した材は完全燃焼していまい灰しか残らないため使ってはいけないそうです。
「そろそろ閉じるかい。」翌日のお昼頃、炭焼き名人が煙の色を見て言いました。ここは、左官屋さんでもある名人の腕の見せ所!焚き口や煙突を粘土で塞いでいきます。密封した後は余熱で炭化させ、1週間かけてゆっくりと冷やします。この後は何も手出しが出来ません。取り出す時のお楽しみです!


写真6:煙突もくもく炭焼き窯

それから1週間が経過して、ついに炭を取り出します。果たして上手く出来ているのか、わくわくドキドキと気持ちが高まる中で釜を開けると、「おー!出来ているぞ!」という声と拍手が響き渡りました。出来上がりとしては、しっかりと炭になっていない部分や崩れて細かくなってしまったものもありましたが、それもすべて炭焼きの醍醐味なのだと感じました。


写真7:集合写真

ボランティア参加者の声

今回の炭焼き体験は、コロナ禍ということもあり例年のようには出来ませんでしたが、11人の方が参加しました。実際に参加してみると、炭焼きは木の状態や火の入れ方などによって出来上がりも変わってくため、とても奥が深いなと感じられました。また、今話題の某アニメの主人公になった気分も味わえるので、ぜひ皆さんも一緒にハサンベツ里山で炭焼き体験をしましょう!(もーりー)

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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