実施内容

厚真町長期滞在ボランティアの活動の中で、災害と子どもの居場所について考えるミーティングをオンライン上で行いました。
1回目:北海道胆振東部地震の様子とふくしまキッズ※の概要
2回目:ふくしまキッズについてゲストの上田さん(NPO法人いぶり自然学校)を招いて講演
3回目:グループに分かれて、これまでの内容をアウトプット
4回目:わっきー(NPO法人雨煙別学校)、キング(NPO法人いぶり自然学校)、たに(NPO法人ezorock)からの災害ボランティアについて
5回目:活動時期が異なるメンバーの活動内容や出来事の共有

※ふくしまキッズ・・・東日本大震災での福島第一原発の事故の影響から福島の子どもたち守るため、北海道各地で行われるさまざまな活動への長期間の受け入れを実施したプログラム

参加者の声

1回目のミーティングでは東日本大震災後と胆振東部地震後の町の様子を写真や映像とともに話していただいたり、ふくしまキッズについて教えていただきました。ふくしまキッズの話では、当時福島から来た子どもたちがマスクを本当にとっていいのか躊躇していたという話が印象に残っており、原発による被害を生々しく感じました。

2回目は、ふくしまキッズで中心的に活動されていたいぶり自然学校の上田さんをゲストに招いて、当時のことや上田さんの思いを聞かせていただきました。前例のない活動であったこと、運営形態が定まっていなかったこと、受け入れ人数をオーバーしてしまったこと、食事作りで何人ものボランティアが疲弊してしまったこと。たくさんの苦難があっても、信頼し遠く離れた土地に子どもたちを送ろうと決心した親たちには、子どもたちが元気でやっていることを必ず伝えました。上田さんたちの心には、子どもたちみんなに「普通の夏休み」を送ってもらいたいという思いがあったそうです。この話を聞いて、役職を立て情報伝達のシステムを作ることの大切さを学んだと同時に、今まで自分が行ってきたボランティア活動が自分のエゴになっているように感じ、とてももどかしい気持ちになりました。

1、2回目のミーティングを通じて改めて震災と子どもについて考えましたが、まだまだ心のつっかえは取れません。話を聞く限りみんなが子どもと災害復興のためと頑張ってきた結果がふくしまキッズのような事例で、それでも苦難は多く存在していました。みんなが助け合うことが大切であるといわれる中、それを行った結果苦しむ人が生まれることに疑問を持ちました。

3回目は今までの話を共有し、アウトプットする中で話したいことや議題にしたいことなどを話し合いました。前回まで話に挙げられていたふくしまキッズの話もありました。

4回目は栗山町で自然体験の活動をしているわっきーさん、イコロの森で活動するキングさん、NPO法人ezorockのたにさんの3人の視点からふくしまキッズ、ボランティアについてお話をいただきました。その中でも僕はわっきーさんからお話を聞き、実際のふくしまキッズでどんなことをしたか、教師志望の大学時代から今の活動に至った理由などを聞きました。そして最後にはコミュニケーションについて、そもそもボランティアとは何なのかという話まで疑問を膨らませていきました。

最終回となる5回目は、今までの話を共有しました。例えば、活動を終えたメンバーはどんな活動をしてきたのか?や調馬索(馬を訓練・運動させるもの)を成功させた人はいたのか?活動中や活動予定のメンバーの今後の予定は?などを共有しました。この話し合いのおかげで、ボランティア中に関わることが少なかった後半のグループのメンバーとも話し合いができ、前後半での活動の違いや内容の共有でより深く全体としての活動を行えたと感じました。

3、4、5回目では、アウトプット中心の話し合いでしたが、自分はまだ何となく心のつっかえが取れない感じがしていました。しかしどうやら話を聞いていると、悩んでいるのは自分だけではなくみんなも同じでした。将来教員としてできることとは?果たして自分ごとにできていたのだろうか?ボランティアのイメージとリアルの差・・・。みんなもまだまだ気持ちを整理しきれていない中、自分事として考えていくうちに「言葉に出来ないもどかしさ」この言葉が心の中に残りました。その時のタケシさん(NPO法人ezorock)から、分からないことは無理やり理解しようとせず分からないままでもいいと言う言葉は忘れられません。

胆振東部地震や東日本大震災の時、自分はどこで何をしていたか?を一度思い出してみて、将来これ以上の災害がもし身の回りで起きるとしたら?を答えが出なくても、ただ一度考えてみるといいのかなと感じました。(ゆうた)

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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