実施内容

堀田農園では、主にハウスと作業場で農作業のお手伝いをしました。ハウスではしいたけの収穫や原木の移動を、作業場ではしいたけの仕分けや乾燥しいたけづくりを行いました。

堀田農園のしいたけは、スーパーでよく見る菌床栽培ではなく原木栽培という方法で栽培しています。木材からしいたけがたくさん生えている光景は、見ているだけでとてもワクワクします。この木材は森を守るために伐採された間伐材。潤沢な雪解け水と豊かな森からの栄養で育った原木での栽培が、原木しいたけのおいしさの秘訣だと伺いました。また、一年間の役目を終えて栄養のなくなった原木は、薪ストーブでハウスを温めるための燃料として利用します。
堀田農園での原木しいたけ栽培は循環する形で森の恵みを受ける栽培方法のようです。
ハウスの中では、しいたけの収穫と原木の移動を行いました。収穫では襞(ひだ)が見えるくらいかさが開いたものを見つけて手でもいでいきました。かごが4、5個分いっぱいになるほど収穫しました。収穫し終わった原木を電動カートで別の場所へ移したり、水に漬けるためにリモコン式のクレーンでプールへ動かしたりしました。運搬する原木の量はとても多く、決して楽な作業ではありませんでした。原木栽培は手間暇かけて、おいしさにこだわった方法であることを実感しました。

お昼ご飯に、しいたけを使ったグラタンなどを頂きました。このときに堀田さんのしいたけを初めて食べたのですが、とても肉厚で香ばしく、思わず深呼吸して笑みがこぼれてしまうほどおいしかったです。作業中は堀田さんとたくさんお話が出来ました。厚真のことやしいたけ栽培のことなどを教えていただきました。
作業場では、しいたけの仕分け作業や乾燥しいたけづくりを行いました。仕分け作業は生のまま製品になるものと乾燥しいたけにするものを目で判断する作業でした。かさの開き具合で判断し程よく開いているものはそのまま製品に、かさが開きすぎた状態のものは乾燥しいたけか廃棄となります。

乾燥しいたけは、スライス作業から始まります。幅は1cmほどと想像よりも厚いサイズで、これは堀田さん自身が「大きな乾燥しいたけのほうがわくわくする!」ということで分厚く作るようになったそうです。スライスをしたものは大きな網に満遍なく広げ、乾燥機に入れます。こうして出来上がったものを袋詰めしました。堀田さんやそのお子さん、パートの方々とみんなで重さを測って袋に詰め、ラベルを貼るなどの流れ作業を行いました。

この他にも出荷用の段ボールを組み立てたり消費期限のラベルを貼ったりなど、普段は関わることのない食品づくりの細かい作業もたくさん手伝わせていただきました。作業は基本室内だったのでしいたけの香りに包まれながら真剣に、そしてみんなで色々な話をしながら賑やかに行いました。

参加者の声

「原木が1年間の役割を終える時期だったため、生のまま製品になるしいたけは少なかったです。乾燥しいたけは思ったより厚くスライスするのだなと思いましたが、乾燥が終わったものを見ると4分の1ほどに縮んでいて驚きました。堀田さんが優しく丁寧に教えてくださったので楽しく夢中で作業ができました。休憩時間にハスカップを使ったドリンクをいただくこともありました。ハスカップは酸っぱいイメージでしたがいただいたものは甘みもあり、厚真で甘いハスカップを作った農家さんの苦労が実っていることを実感し感慨深かったです。作業しながらただただ楽しくお話ししたり、とても勉強になる知識を教わったり、普段モヤモヤしていることを話した時にはそれをスッキリ解決してもらうなど、大学の友達とは話さないようなことまでたくさんお話ししました。堀田農園さんで過ごした日々は作業だけでなく色々な人たちとの交流の場、時間になりました。(えってぃ)

しいたけの原木栽培を見るのが初めてだったのでとても新鮮な体験でした。原木は栽培に使うだけでなく、役目を終えたら栽培ハウスを温めるストーブの燃料になり、この循環型の栽培方法がとても魅力的でわくわくしました。冬の煙突から煙がのぼるハウスを、この目で見てみたいです。作業をする中で、厚真に住む色々な方とお話しすることができました。どの方も、普段私が思っていることについて一緒に考えて下さったり、また厚真のことも沢山教えていただきました。厚真の方々の温かさを感じるとともに、自分が厚真と関わりができたと感じた瞬間でした。堀田さんからの「またいつでも来てね」の言葉がとても嬉しくて、心に残っています。今後も厚真の皆さんと、たのしいたけと関わっていきたいです。(ともやん)


作業の合間に遊んでいる様子

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
舞い上がれ 社会を変える みんなの力 休眠預金活用事業