はじめに

こんにちは!この度「大雪山国立公園旭岳自然保護プロジェクト 2021」に参加した、西脇辰仁です。

「人生、楽しんでいますか?」

突然この質問を投げかけられて、あなたは何を考えましたか?そして、この質問に「うん、楽しいよ!」とすぐに答えられますか?実は、私もこのボランティアのオリエンテーションの時、同じ質問をされたのです。何も知らない土地に一人で行き、そこで初めて会った方にいきなり「人生、楽しんでる?」と聞かれ、驚きすぎて返答に詰まってしまいました。その後「楽しいです!」とは答えたものの、本当に心から人生を楽しめているのかと考えさせられました。
そこで、今、私と同じように返答に詰まった方はぜひこの記事を最後まで読んでみてほしいです。私がボランティアに参加し、感じたことや考えたことから、私なりの答えを書いてみました。少しでも共感してくれる方がいたら、嬉しいです。

活動してみて

このプログラムでは主に「旭岳自然保護監視員」の活動に取り組みました。姿見の池園地及びその周辺の巡回、散策案内や注意点を利用者の方に伝える3分レクチャー、SNSやブログ等による情報発信、登山道や散策路の清掃・草刈り・舗装などを行いました。その中でも特に印象に残っているのは、「3分レクチャー」です。これは、ロープウェイ姿見駅に着いた利用者に、園地内でのルールや注意事項を伝えることで、「利用者による国立公園の管理」を促すものです。3分ととても短い時間ですが、これを導入したことで、園地内でのルール違反が激減し、より国立公園の自然保護がしやすくなったという話を聞きました。
色々な活動がありましたが、2週間の活動中はいつもすぐそばに大自然があるような状態でした。

写真越しでも伝わる壮大な大自然の中で感じたことは、「やっぱり自然が好きだな~」ということです。登山やキャンプの経験はありましたが、自分から誘うのではなく、誰かから誘われて付き合いで行くという場面がほとんどでした。そこで「きれいだな~」とか、「楽しい!」とは感じていたのですが、本当に自然が心の底から好きなのかどうかを考えたことはありませんでした。今回の活動に参加したことで、やはり私は自然が好きだと実感し、自然の中で働きたいのだと自信を持って言えるようになりました。
活動を終えて、気付いたら「人生を楽しめているのかな?」という疑問はどこかに消えていました。自分の好きなものに囲まれて、それを守るための仕事ができていると分かった時に「これが人生を楽しむってことなんだろうな」と思えたのです。実際に旭岳自然保護監視員の皆さんも自然が好きで、目をキラキラさせながら、人生を楽しんでいました。好きなこと、やりたいことをやるということは楽しい人生を送る上で一つの重要な要素になるのだなと感じました。

また、今回のボランティアを楽しめた要因の一つは「人との出会い」でした。活動中に出会った人たちと過ごした時間はかけがえのない経験となりました。会う人はみんな好きなことを一生懸命やっていて、心から楽しそうでした。一緒にいるだけでその思いが伝わってきました。出会った方たちの様々な価値観に触れて、自分にとって新しい世界を知ることもできました。例えば、活動中に滞在したシェアハウスには旭岳自然保護監視員の方だけではなく、アーティストの方や、カナダでガイドをされている方もいらっしゃいました。他にも、スキーが大好きな方、とてもおしゃべりな方、冬にバーの経営や木工をされている方、イギリスから来た方など、自分が今まで出会ったことがないような方ばかりでした。その方たちと一緒に過ごす時間はとても刺激的で驚きに満ちていました。
色んな人と出会うことで、色んな価値観とも出会うことができ、自分の知らなかった世界を見ることができました。そしてそれが自分をすごくワクワクさせてくれるし、一回りも二回りも成長させてくれるのだと知りました。そうやって出会った人の中には、一生の友達や先輩になる人がいます。そして自分の周りに「楽しい」を連れてきてくれる人が増えれば、きっと楽しい人生を送れると思います。例えば、今も現地で出会った方と連絡を取り合っていますが、その方には、私が活動に参加した後の旭岳の様子を教えていただいたり、近況報告や趣味の話もしています。活動中も、初日から何かと行動を共にすることが多く、とてもお世話になりました。一緒に旭岳に2回も登り、増毛山道という一般開放がされていないような所にも連れて行ってもらったり、一緒に温泉に入って海鮮丼を食べたりしました!また、彼がこの仕事をするようになった理由や、人生論などの話をする中で、彼の豊かな人間性にも触れることができました。このように人との出会いや交流から、「人生を楽しむ」とはどういうことかを深く考えさせられました。他にも色々な体験を現地の人とさせていただき、それは今でも心に残っています。

最後に

活動を通して、私は、人生を楽しいものにできるかどうかは自分次第だと考えました。自分自身がこれから選んでいく、すべての決断が未来につながっていると思います。ならば、とことん楽しみたい。何も知らない土地で、はじめましての人達に囲まれ、生活を共にすることで「自然の中で働きたい、自然が好きだ」という思いが強くなったし、心に残る「人との出会い」がありました。それは、自分自身でこのボランティアに参加することを決めたから得られたのです。知らない場所や環境に飛び込むことで、人生を楽しむヒントを得ることができました。だから、この記事を最後まで読んでくれたみなさんにも、恐れることなく色んなことにチャレンジしてみてほしいです。
では、最後にもう一度質問です。

「あなたの人生、どう楽しみますか?」

(記事を書いた人:たつひと)

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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