実施内容

これまで何度も皮なめしに挑戦してきた「シカ革なめし部」。毛皮は作れるものの、レザーづくりには苦戦してきました。これまでの活動はこちら

今回は、平取町と白老町の猟師さんからいただいた2枚のシカ皮を加工していきます。冷凍された状態の皮を解凍して腐敗を防ぐため「裏すき」と呼ばれる、余分な肉や脂肪を取り除く作業を行います。1枚の皮に2-3時間かけながら、丁寧に作業していきます。

また、尻尾や足先の部分はなめし作業の邪魔になってしまうため切り取ります。

裏すき作業が完了したら、皮全体に塩を塗りこみ塩漬けにします。塩漬けにした皮は常温状態でも長く保存できるようになります。

ここまで作業できたら、全国の獣皮をなめす一般社団法人やさしい革に皮を郵送します。やさしい革では、環境負荷の少ない植物タンニンによるラセッテーなめしを行っています。全国各地1枚から獣皮を受け取り、約100枚の皮が集まるとなめしを実施。完成したレザーを皮の送り元である産地へ送り返しています。

2か月ほど経って、届いた革(レザー)はご覧の通り!

「皮なめし」とは、動物の皮から腐敗の原因となるたんぱく質や脂肪を取り除き、加工して柔軟性・耐久性をもつ革へと変化させる工程です。シカ革はやわらかさが特徴で、ディアスキンとも呼ばれています。
12月には、この革を活用したクラフトイベントも実施しました。「クラフトDAY」と題し、札幌市内の会場に集まった参加者たち。クラフトをするのは初めてという方もいましたが、少しずつ試行錯誤しながら各自で栞を作成しました。

シカ革なめし部では、北海道各地で問題になっている野生動物(特にエゾシカ)と人との関係に関わる・考えるプロジェクトとして、皮なめしの一部作業体験や、猟師・なめし工場と連携したレザー制作、北海道産のシカ革レザーを活用したクラフト商品の制作を検討中です。

2年間の検証を繰り返す活動を経て、様々な地域の方と連携しながら新たなプロジェクトへと進化していきます。

今後のシカ革に関する活動・事業については、NPO法人ezorockHPに今後掲載予定です。ぜひご確認ください。

 

(記事を書いた人:たに)

参加者の声

今回で2回目の参加となり、毎度違った作品に取り組むことができて良かったです。前回は本の栞を作り、今回はキーホルダーを作りました。作り方はとても似通っている箇所が多かったですが細かな違いを体験できたり、前回やったことのおさらいをすることができました。今後も参加することで作業の手際を良くしていき、新たな作品に取り組むことができることを楽しみにしています。いつか数日かけて取り組むことができるような大きな作品などを作ってみたいと思いました。また、会場であるezorockの事務所に行くことで直近の活動状況やイベントのことが知れてすごく楽しそうだったので、そうした情報共有の場としてもすごく良かったです。また参加したいです。(かめさん)

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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