実施内容 

【1日目】
15時頃にロープウェイの山麓駅に到着しました。監視員の方と合流し、ロープウェイに乗り姿見の池※1まで巡回しました。歩きながら監視員の方から植生や生息している生き物のことを教えてもらいました。姿見の池付近では劣化により散らばってしまった木道の破片を拾いました。山は天気が変わりやすいと言われていますが、1日目は曇っていて天気はあまり良くなかったです。

※1 姿見の池
旭岳姿見の池園地内にある火山活動によってできた湖で、旭岳が水面にきれいに映ることから「姿見の池」と呼ばれています


(姿見の池 2022年度第2回の活動時に撮影)

【2日目】
午前中は6合目まで登り、雪のシーズンが始まる前に姿見の池付近までの登山道を示すロープを外して回収する作業をしました。6合目までは斜面も急で中々大変でしたが、登れば登るほど景色が綺麗に見えたので頑張れました。2日目の天気は晴れで作業中はものすごく暑く、ダウンを脱いで作業しました。ロープを外している作業中に何名かの登山者がロープ外に出ている場面を目にしました。また、公園内の石や枝を使って雪だるまを作っている方も見かけました。この国立公園を自然に残していくために、もっと多くの方たちにルールを知ってもらいたいなと感じました。登っている途中、日本では北海道の高山でしか繁殖しないとされるギンザンマシコ(雄)を見ることが出来ました。赤色がとても綺麗で鳴き声も綺麗でした。

午後は天人峡※2に行き、羽衣の滝までの道を掃除しました。道の途中には落ち葉がたくさん落ちていたのでその落ち葉を避け、脇にある水路に水が流れるようにしました。

※2 天人峡
旭岳から車で15分程の場所にある渓谷で、柱状節理といわれる特殊な地形が形成されています。


(ロープを回収する様子)


(ギンザンマシコ)

【3日目】
朝から天気が悪く、ロープウェイが動かなかったので麓のワサビ沼までのクロスカントリーコースを巡回しました。たくさんの植生や動物の糞なども観察できました。道中や大雪山旭岳ビジターセンターの駐車場のゴミ拾いをしました。その後は、ビジターセンター内で大雪山国立公園についての資料を見て、歴史などを学びました。


(ワサビ沼)

参加者の声 

今回初めて活動に参加してみて、一番に感じたのは「自然を守るって大変なんだ」ということです。山の自然環境を守るためには、細かな気候の変化や観光客の服装などにまで注意を向けなければならないことを痛感し、それを日々行なっている旭岳自然保護監視員の皆様に対しては尊敬の念を感じました。僕の知識、経験ではそうしたことを行うのはまだまだ難しいですが、来年もまたこの活動に参加して、微力ながらも大雪山の自然を守る手助けができればと思っています。(大学生)

 

今回、単に自然が好きという理由で参加しましたが、活動前と活動後では自然に対する捉え方が変わりました。活動場所の旭岳姿見園地は、”特別保護地区”という国立公園の中でも最も厳重に保護されている場所であること、そしてその環境は監視員の方々による日々の地道な活動によって保全されていることを1番に学びました。一方でロープ外に行ってしまう人を多く見かけ、国立公園のルールを守れていない人がいるとわかりました。これからも多くの人が大雪山国立公園の自然を見に来ると思うので、自然を長く存分に堪能してもらうために公園内のルールを理解して欲しいと感じました。(大学生)

 

私は登山が好きで活動に参加しました。初めての雪山だったので活動前は不安でしたが、意外と雪山のほうが歩きやすくてすごく楽しかったです。雪山には色んな動物の足跡や、鳥の色がすぐに見えるので、「あっ、この山生きているな」という感じがしました。旭岳に動物や植物がこんなにも生きていることは、山の自然保護に携わる皆様が守り続けているおかげです。活動の内容は自然を守るのはもちろんですが、観光客の安全も考えて活動を行ったので、登山者視点の経験が活かせました。なかなか体験できない経験でしたので、来年も参加できればと思います。(社会人)

コアスタッフより活動を通してのコメント

今シーズンは初めてコアスタッフとして本格的に関わった半年間でもあり、終始、活動に参加したボランティアの熱意に圧倒されていたように思います。高校生や遠方から来てくれる方が多く、この活動の意義を改めて認識することも多くありました。後から考えると、もっとうまくやれたかもと思う部分もたくさんありました。それでも、無事に今年度の現地活動を終えることができたのは受入団体である「大雪山自然学校」の皆さんや、何より参加者の皆さんがいてこそなので、感謝の気持ちでいっぱいです。
来年度もより良い活動にしていくので、ぜひ参加して頂けたら嬉しいです。(ひろと)

 

活動前後の顔合わせ・振り返り会を通して、チームとして活動参加者の皆さんと昨年よりも深く関われた点がとてもよかったです。参加したきっかけや活動の感想を直接聞ける機会が多く、チームの現場へのかかわり方や広報活動のヒントをたくさんもらえました。
少人数のチームで新しいチャレンジをした今シーズンは、チームとして余裕のない場面が多く見られました。この点はしっかり改善して、来シーズンを迎えたいです。冬の間にたくさん準備して、次の夏にはさらにパワーアップした旭岳チームでボランティアの皆さんをお待ちしています!(のん)

オフシーズンについて

活動に携わる皆さんのおかげで、今年度も無事に旭岳現地での活動を終えることができました。心よりお礼申し上げます。旭岳の活動がオフシーズンとなる時期は、今年の振り返りと来季への改善や広報計画等の活動を中心に行っています。来季の活動にダイレクトにつながる、新たなシーズンの始まりともいえる時期です。活動への理解度を深めたい方、コアスタッフに興味がある方は、お気軽にezorock公式ラインなどからお問い合わせください。

 

※本記事は、休眠預金を活用した『北海道未来社会システム創造事業』を活用し作成しています。
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