実施内容

早朝、札幌駅に集合しバスを乗り継ぎ4時間半かけ旭岳へ。保全員の方と合流し、お昼ご飯を済ませた後、1日目の活動が始まりました。
1日目は、裏旭野営場の携帯トイレ用ブースの材料となる丸太を運ぶ作業をしました。丸太を背負子(しょいこ)に紐でくくりつけ、野営場まで運びます。丸太は見た目ほど重くはなかったですが、急な斜面を登らなければいけないのとバランスが悪く運びづらいのとで、かなり体力のいる作業でした…!

登山者の方に応援されながら野営場を目指します。下山の時間が迫っていたため9合目まで運んで引き返しました。9合目にも携帯トイレ用ブースがあり、中を覗いてみると、鍵がついていたり、扉に石がついていて開けっぱなしにならないようになっていたりと、よくできた作りになっていることが分かりました。作業を通して、登山の際に利用する人が増えるといいなと、そのために携帯トイレがもっと普及してほしいと思いました。

2日目は、旭岳で行われた「SEA TO SUMMIT」という環境スポーツイベントがありました。このイベントはカヤック、自転車、登山によって海(湖)から山頂を巡ることで自然について考えることを目的としています。私たちは、誘導係としてロープウェイ駅近くの分岐がある地点に立って、参加者が間違った方向に向かわないように声かけをしていました。朝は悪天候でしたが、午後にかけて段々と晴れてきて参加者も増えてきました。私は石室付近で案内をしていたのですが、家族で参加している外国人と思われる方々が、笛の音色と共に日本語で『ふるさと』を歌っており、周りの方々も一緒に楽しんでいたのがとても印象的でした。旭岳付近は北海道の中でも観光客の多く賑わっている山域であり、また、とても美しい景色が見られる場所なので、私もとても好きな場所です。一方で、気軽に標高の高い場所へ行けてしまうのと、足場が石や岩で歩きにくく危険のある場所で、遭難や怪我が多いと聞きます。登山の際には万全の準備をして望むことも忘れてはいけないと思いました。


(遊歩道にはエゾリンドウが咲いていました)

また2日目の最後には外来種除去作業として、セイヨウタンポポの除去を行いました。セイヨウタンポポは身近なかわいらしい植物ですが、旭岳に生える貴重な高山植物を保護するためには除去が必要です。花の部分が先に除去されていたので、葉の特徴でセイヨウタンポポを見分けなければならず、素人目では少し苦労しました。またどの葉も根っこがとてもしっかりしていて、セイヨウタンポポの強さを感じました。作業を終えた後、狭い範囲での除去だったにもかかわらず、抜いた葉がとても多かったことに驚きました。

(記事を書いた人 あやの)

参加者の声

1日目は天気も乱れず、途中まで楽しく登山出来ましたが、体力不足でギブアップにより途中で下山をしました…。本当に悔しかったですが、自然を身近に感じることが出来てとても気持ち良かったです!2日目は朝から雨で気温もかなり低かったので、震えながら道案内をしていました。ですが、私が参加者の方々に「いってらっしゃい!頑張ってください!」と声をかける度に、皆さんは「行ってきます」や「ありがとう」と返してくださり、私自身も励まされました。途中から晴れて道に川ができ、「とても綺麗ですね」と話しかけてくださったり、外国の方々にも「頑張って!」と励ましの言葉をかけていただきました。短い間でのたくさんの会話に胸があたたまりました。このような体験は、数少ない貴重な体験だと思います。たったこの2日間で悔しさや喜びを思い切り感じることが出来て本当に良かったです!(めい)

1日目は、大雪山の9号目まで丸太を運びました。私にとって初登山で何度も挫けそうになりましたが、周りの人たちのおかげで無事運ぶことができました。運んでいる途中で登山をしてる人たちに「すごい」「がんばって」と言われ、とても嬉しくなりましたし元気づけられました。泊まる場所では協力してラーメンを作ったり、UNOをして楽しい夜を過ごしました。2日目は、朝が早くて結構ドタバタしていました。「SEA TO SUMMIT」の会場では、雨が降っていてとても寒かったですが、お客さんや選手の人に「お疲れ」と一声かけていただけるだけで本当に元気になれました。午後はすっかり晴れて日差しも強く、とても暑かったです。タンポポは根強くなかなか駆除できませんでしたが、時間をかけて協力しあい、たくさんのタンポポを駆除できました。この2日間結構辛いこともありましたが、それ以上に楽しかったり嬉しいことがあったのでまた参加したいと思いました。(ゆな)

 

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新企画!活動に行ってきた人にインタビュー!【179REPORT】vol.1