実施内容
【1日目】
集合時間が近づいてくると、ちょっぴり緊張した表情の子どもたちが続々と集合。スタッフの方からお話を聞いて、いざバスに乗り込みます。案外すんなりと親御さんとお別れしている様子に少々驚きながらも全員で出発です。バスに揺られること約1時間、イコロの森に到着。スタッフ陣の自己紹介の後はみんなでお昼ご飯を食べ、森の探検に出発! 枯れてしまった木をぼきぼき折ってみたり、凍ってしまっている川の上を歩いてみたり、雪の上に寝っ転がってみたり。思い思いに森と触れ合っている姿が印象的でした。
次は動物たちに餌やりを行いました。イコロの森には馬に羊、にわとりとたくさんの動物たちがいます。その動物たちのお世話をするのも子どもたちの役割です。餌である牧草を袋に詰めて動物たちに与え、水を替え、ぼろ取りを行います。初めての体験ばかりで少し嫌がりながら行っている様子もありましたが、動物たちのために頑張っていました。動物たちにご飯をあげ終わったら、やっと自分たちもご飯の時間です。ご飯の後はみんなで車に乗って温泉に出発。「他のお客さんもいるから静かに行動してね」と声かけを行っていました。子どもたちだけでもルールを守って行動ができており、温泉の方からもほめていただきました。親御さんがいない中でもルールを守って行動できている姿に感心する1日目となりました。
【2日目】
スタッフも子どもたちも眠たい目をこすりながら起床。動物たちがお腹をすかせて待っているので、とっても寒い中でしたが餌やりのスタートです。少し動物たちに緊張気味ではありますが、頑張って餌をあげてぼろ取りを行いました。
朝ご飯を食べた後は、森に出発です。いぶり自然学校のスタッフの方が事前に切る木をピックアップしてくれていたので、その木を切りにいきました。チェーンソーを使って木を切ろうと試みたのですが、上の葉っぱの方が隣の木と絡んで動かなくなってしまいました。みんなでどうしようかと悩み、木をどちらかに落としてみることに。右か左にすとんと落とせば、うまく絡まりがほどけてくれるのではと考えたのです。子どもたちもスタッフの大人たちも「どっちだろうね」と真剣に悩みました。
みんなで1つの答えを出し倒してみたものの、うまくいかず引っかかってしまいました。なので、木にひもをひっかけて、力をあわせて引っ張ることにしました。「3、2、1!」とみんなで息を合わせて引っ張ります。結果、木を倒すことに成功!子どもたちも良い表情を見せてくれました。1人ではできないことも、みんなでやればどうにかできるということを教えてもらった気がしました。
動物たちにご飯をあげて、自分たちもご飯をもりもり食べた後は、薪割りや雪遊びなど各々がやりたいと思ったことを分かれて行いました。自分がやりたいと思ったことに真剣に取り組んでいる姿が印象的でした。その後は馬のナナちゃんのブラッシングをしたり、ナナちゃんが引くそりの修理などを行いました。直したそりに乗せてもらいみんな大満足でした。2日目の夜から子どもたちの中で「人狼ゲーム」というゲームが流行りだし、みんなの仲を深める1つのカギとなっていくのでした。
【3日目】
子どもたちも餌やりにも慣れてきて、私たちが声かけをしなくてもしっかり役割を果たせるようになってきました。午前中は、2日目に切った木を馬のナナちゃんに運んでもらう馬搬を行いました。木にソリのような部品を取り付け、雪の上を引っ張って運びます。子どもたちはナナちゃんに「すごいね」「力持ちだね」と声を掛けながら動物と協力するという貴重な体験に目を輝かせていました。途中でナナちゃんにおやつをあげたり、木の上に座った子どもたちも一緒に引っ張って運んでもらったり、ナナちゃんとの絆を深めながらの馬搬体験となりました。馬搬が終わると女の子たちが馬具のお手入れを丁寧にしていました。「ナナちゃん頑張ってくれてありがとう」という気持ちを込めながら丁寧に作業を行っていました。
もりもりお昼を食べた後は、各々がやりたいことをやる時間となりました。雪だるまを作ってみたり、薪割りをしたり、ひたすら木をやすりで磨いてみたり。真剣に取り組む姿はとても記憶に残るものとなりました。その後はいつも通りの餌やりとぼろ取りを行います。この日、特に印象的だったことがありました。ある女の子が餌やりを終えて室内に戻ってくると、「こんなに動物が可愛いと思ったの初めて!」と言って戻ってきたのです。今まで動物を可愛いと思ったことはなかったみたいなのですが、「ご飯食べてる姿がすごく可愛かった」とニコニコで話してくれました。毎日お世話を続けていたからこそ、その可愛さに気づくことができたのだと思います。「初めて」に私も立ち会えたことがすごく嬉しかったです。
【4日目】
あっという間に最終日、最後の朝の餌やり。ある男の子と女の子が、初めてにわとりを抱くことができました。最初は緊張しながらもしっかり抱きあげる姿を見て、成長したなぁと親のような気持ちになって見ていました。朝ご飯を食べ終えると、4日間お世話になったイコロの森管理棟のおそうじをしました。自分たちが毎日寝ていた部屋の掃除や机椅子の掃除に加えて、普段はあまり掃除をしない窓やコード、隅まで丁寧に掃除をしました。みんなでピカピカになるまでお掃除をして心まできれいになった気がします。その後は修了証を受け取りました。他にも本物のシカの足を使ったハンコを押すなど、最後の時間を楽しんでいました。また、今回の活動で学んだこと、楽しかったことを集中して記録に残している姿も印象的でした。最後にみんなで集合写真を撮って今回のプログラムは終了しました。
参加者の声
今回、メインで進行されていたのはアドベンチャートラベルガイドの荒井一洋さんでした。アドベンチャートラベルとは、アクティビティー、自然、異文化体験という3つの要素のうち2つ以上を掛け合わせた旅行形態の事で、荒井さんは「外国人観光客の方が日本で納豆を食べる事もアドベンチャートラベルなんだよ」と、教えて下さいました。それを踏まえて4日間子供達と一緒に居ると、純粋に新しい体験を受け入れ、まっすぐ楽しみ、たとえ小さな体験でも大きく成長する子供達の姿から、何でも純粋に楽しむ事の大切さを学びました。(ずみ)
最初は怖がっていた動物たちにもだんだん慣れてきて、何も言わなくても子ども自ら率先して動くようになったり。もりもりご飯を食べて、外で思いっきり遊んだり。4日間子どもたちと過ごす中で、たくさんのことを子どもたちから教えてもらい、元気をもらいました。他にも子どもたちとの関わり方など様々な場面で学ぶことが多い活動となり、この経験を別の場面で活かしていきたいと強く感じました。(まお)