実施内容
幌のまち歩き
この日は、浜益の幌(ぽろ)という地区に昔から住んでいる渡辺千秋さんをゲストに、幌のまち歩きをしました。この渡辺千秋さん、浜益で約40年前に機関誌『ネットワーキング浜益』を作っていた、「浜益・自然に学ぶ会 ふかんば」のメンバー。
(「ふかんば」については、こちらの記事をチェック!)
驚くべきなのは、その知識量。幌の街を一歩歩いて、家が見えると、それが誰の家だったのか、何屋さんだったのかを教えてくれます。「映画館がここにあって、美空ひばりの映画を見て……」「いま見えている学校の所は、体育館でね。裏に校長先生が住んでいて……」と聞くと、何年も前の事なのに、当時の街の姿をありありと思い描くことができます。住む人が減っている浜益、幌ですが、確かにそこには住んでいる人がいて、たくさんの人がいたのだと改めて感じました。そして、そこにはたくさんの歴史や思い出がずっと昔から積み重なっている。それを、地域の人から直接話を聞き、感じることができたのはとても貴重な時間でした。
イチイの木スノーシューツアーの道付け
活動2日目は、浜益で毎年行われているイチイの木を見に行くスノーシューツアーに向けて、前日にイチイの木まで歩いて道を作るお手伝いをしました。黄金山のふもとにある樹齢1500年のイチイは、出発地点からおよそ3kmの距離にあります。森の中、しかも少し吹雪いている中、まっさらな雪の上をスノーシューで歩くのは一苦労でしたが、途中から地元の方のスノーモービルに乗らせていただきました。雪交じりの強風を顔に受けつつ、目を凝らしながら雪景色が次々に変わっていくのを見ていると、こんな気持ちの良いことはめったにないだろう! という気持ちになります。ついに到着したイチイの木はたいそう美しく、夏とはまた違う荘厳な姿には、思わず息をのむばかりです。写真では壮大さが伝わりにくいのが悔やまれます。イチイの目の前で温かい紅茶とおにぎりをいただき、ほっと一息ついてから再び来た道を戻りました。帰りは真っ青な晴天で、行きの苦労は何だったのだろう、というほどすがすがしかったです。帰りは浜益温泉に寄り、冷えた体をゆっくり温めてからベースに戻りました。
ベース整備・果樹園お手伝い・ふかんばの会
この日は、はまますベースの整備ときむら果樹園さんのお手伝いをしました。午前中は、はまますベースのゲストハウス化に伴い、布団のシーツ入れや止水栓にポップをつけたり、浜益をわかりやすく知ることのできる「エゾ部屋」の整理を行いました。徐々にゲストハウスとして整いつつあるはまますベースに、期待を膨らませながら作業を行いました。
午後はきむら果樹園さんで、剪定された枝拾いのお手伝いです。枝拾いの際には樹木のことや接ぎ木について詳しく説明していただきました。樹木の剪定の奥深さや、樹木それぞれには性格や個性があり、人間とさほど変わりはないのだなと感じました。
16日には、40年ほど前に浜益に存在した機関紙『ネットワーキング浜益』を作っていた、「浜益・自然に学ぶ会 ふかんば」のメンバーの皆さんにお話を伺う「ふかんばの会」に参加させていただきました。機関紙を作成している当時の感想や時代背景などを事細かに教えていただき、非常に貴重な機会に立ち会うことができました。40年前の『ネットワーキング浜益』から、私達はなにを受け継ぎ、何ができるのか。今一度考えてみようと思えた時間でした。
(記事を書いた人 みさき、さーや、ゆーせー)
参加者の声
今回私は初めてはまますベースに宿泊しましたが、みんなでポップを作ったり、掃除や料理をしたり、夜遅くまで話したりと、一緒に生活している感じがとても楽しく、今度は1週間くらい滞在してみたいと思いました。2日目には、きむら果樹園さんで枝拾いのお手伝いをしながら、さくらんぼの木をまじまじと観察したり、自然の話や浜益の話をたくさんしていただきました。普段触れないことがいっぱいで、たいへん面白かったです。お土産にさくらんぼと梅の枝をもらい、今私の家で花を咲かせようとしていて、とってもかわいい癒しになっています。
3日目のふかんばの会では、初めてしっかりとネットワーキング浜益を読み、こんなに大変なものをつくっていたのだと驚きました。また浜益でのウォッチングツアーが楽しそうで、もう一度開催してほしいと思いました。ふかんばのお三方のお話も聞き、浜益への大きな愛を感じました。そして、私ももっと浜益に関わり続けたいと思いました。浜益で過ごす時間はゆったりとしていて、日常の悩みなどを忘れさせてくれるのでとっても心地よかったです。(そーじゅん)