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「若者と地域をつなぐ」その原点は?

タケシ:ななこは元々、「若者と地域をつなげる」ということをボラ旅でやっていたけど、そういうことに関心が出てきたのはいつからなの?

ななこ:元々、「世界には貧困とか戦争とか色々な課題があるけど、なんで解決しないんだろう?」って高校や大学の時に思っていて、国際関係や各地域の歴史や情勢・文化等の勉強をしながら「そういった地域課題の解決に携われるような人になりたいな」って思っていた。ある時に「途上国経済発展論」っていう授業の中で、途上国と先進国は構造的な経済関係になっていて、搾取される側はよっぽどのことがないと逆転できないっていう理論を知って。その事例として、東京と北海道の関係が紹介されていて、同じ構造だということが分かった。

タケシ:10〜20年前はよく議論されてた話だね。

ななこ:うん。北海道は食料供給地として開発されてて、都市部に安く食料を売る役割を果たしていて、供給先の都市部に比べると経済水準が低いという話。その話には当時とても衝撃を受けた。「自分が大好きで、いつも帰りたい帰りたいって思ってる北海道は、構造上は弱い立場だったのか」って。ただ、その時読んだ本には、「北海道には可能性がある」と書かれていて、その時に初めて「内発的発展論」っていう考え方を知った。内発的発展論は地域の人が、地域資源を生かして、地域づくり・産業づくり・教育を進めることで、付加価値をつけて外貨を稼いで、自立しようっていうことを提案していて。「こういう仕事がしたい」って思った。

タケシ:今、キーワードで出てきた「内発的発展」であったり、構造的に有利不利が色んな関係でありますよね。先進国と発展途上国の関係が、日本の中の東京と北海道でも起きてたみたいな。

ななこ:うん。それに加えて、北海道は人口が都市部に偏っているから、地方部に移住してそこで仕事をする・増やすというのが1つの解決策になる。でも移住はハードルが高すぎるし、特に若者が農村部に就職しようとは思わない状況だった。そもそも農村部について知るとか、行ってみるという最初のステップが北海道には無かったから、そういう場を作りたいと考えてた。移住だけをゴールにするのではでなく、もっと多様な関係を持つこと自体に価値があるっていうか。今のリレーションズはそんなことを表現しているのかなって思いました。


海外の事例がヒントになった

タケシ:ボラ旅は、全くのゼロからこのアイデアが出てきた訳じゃなく、海外にある仕組みを参考にしてる。僕とななことでそれぞれ参考にしていた事例があって、1つはドイツの事例。僕は2007年にドイツに研修に行ったときに若者環境ボランティア制度を知ったの。わかりやすく言うと「兵役か環境ボランティア、どちらを1年間やりますか?」っていう制度。今は兵役がなくなったから変わっちゃったんですけど、環境ボランティアを選ぶと26歳の若者が1年間環境団体に派遣されるの。環境ボランティアやってる間はちゃんと研修費みたいなお給料も出る。それで1年間滞在しながら環境保全の現場で若者が育つ。当時ドイツはこの制度で環境先進国と呼ばれていたくらいの制度。「めっちゃいいじゃん!そんなの出来たらいいね!」って言ってたのが2010年位の話。

ななこ:私はアメリカにある「conservation corps」という仕組みを大学生の時に知った。欧米はギャップイヤーとして高校もしくは大学に入学する前に自分探し期間があって。そのプログラムでは、半年間、国立公園の道路の整備や森林の植樹とかに従事する。地域や自然についても学べるし、リーダーシップやボランティアマネジメントについても学べるし、ある程度の生活費も貰える。これを北海道でできたらいいなって思ったのが始まり。大学時代過ごした地域にいた実際に経験した方にお話を聞いて、ボラ旅のヒントになった。

タケシ:そうだね。さっきも話したことだけど、北海道は広域で、都市部に人が集中している。地域に入っていきたいけれど、地域の人々だけでは足りない。なので、都市部から人を送ってマンパワーを補っていく。そうすることで地域も人も育つし、お金もちょっと入る。そんな仕組みが出来たらいいねっていうのが最初に考えてたことなんだよね。

編集後記

179リレーションズと前身のプロジェクトである「ボラ旅北海道」について、ezorock代表のタケシとボラ旅コーディネーターのななこ、179リレーションズコーディネーターのたにの3人による、ボラ旅からリレーションズにどんな風に推移してきたのかという対談をお届けしてきました。いかがだったでしょうか。179リレーションズには「いつもの繋がりが、いざという時の力に」という合言葉があります。普段の暮らしや活動の中で培っている地域や色々な人との繋がりが、災害時などいざという時に役に立つことを今までの経験から感じ、大切にしています。そんな言葉の背景が今回の対談から見えてきたのではないかと思います。

現メンバーも知らなかったことや驚いた内容もあり、このプロジェクトを知らなかった人でもプロジェクトについて理解できる内容になっているかと思います。この記事を読んで気になったら他の記事を読んだり、活動に参加していただけることを編集部メンバーはお待ちしています。また活動について、色々な方にこのプロジェクトのことを伝えていただけると嬉しいです。今後も179リレーションズでは様々な活動を実施していきます。さらに、この対談では語られなかった179リレーションズの現在と未来についてのインタビューを予定しています。お楽しみに!